2008年 11月27日 晴れわたった爽やかな日だった
私と中高6年間一緒に過ごした アベ(旧姓がニックネーム)のお葬式
クリスチャンの私にとって 仏教のお葬式は、イメージが暗くてお経も意味不明で
あまり居心地のいいものじゃないけど この日は違った
愛するご主人や私たちに向けて 彼女自身が残したメッセージが語られ・・・
哀しいのになんだか暖かかった
出棺の時のBGMは 「しめっぽいのはイヤだから」と
彼女が指定した BOOMの「風になりたい」
♪ 天国じゃなくても 楽園じゃなくても
あなたに会えた幸せ 感じて 風になりたい
サンバのリズムが明るくて せつなくて・・・
帰ってから神威のメンバーに 「アベの歌を作りたい」とメール
サノから 「びっくりした 同じこと考えてたよ」
サノが書いた歌詞にエッセがメロディーをつけた
いつも曲のアレンジは スタジオで音を出しながら考えて行くのだけど
この曲は一人で静かに考えきりたかった
生ピアノ一本で弾き語りしたら フォーク調にもなり得るメロディー
サノはMISIA みたいにソウルフルに歌いたいと言う
どうしたらダイナミックに表現できるんだろう
参考にしたいと思ったバラード3曲を聞き込んだ後は 一切の音をシャットダウン
TVもつけない、他人の音楽も聴かない
頭の中でピアノのイントロから音を「鳴らす」
違う・・!
「ストップ」「巻き戻し」「再生」をくり返す
ある時は お皿を洗いながら ある時は ソファーにぼーっと座って
考え続けた 文字通り 四六時中
そうやって4日目、最後はピアノとサノの「ありがとう・・・」の声
ピアノが残って ラスト4拍にウィンドチャイム・・・・できた!
手元のメモに急いで書き留める
問題は曲全般に鳴り響いていた ストリングス音
「つうこ」
彼女のシンセしか考えられなかった
音色作りの達人、そして「ここで欲しい」ってところで
絶妙なフレーズを入れてくれる あのバランス感覚とセンス
なにより つうこなら私たちと同じ気持ちで弾いてくれる
そんな気がした
その日のうちに 「会いたい 10分時間作って」とメール
後は熱意だけで OKさせてしまった
だって 私のアタマの中で 既につうこのシンセが鳴ってたんだもの
後で 先に了解とってよって 他のメンバーに怒られたけど
ライブが終わって つうこは自身のブログで この曲への想いをつづっている
やっぱり・・・! こんな深い想いを持ってくれてたんだ
私自身 一つの曲にこんなに真剣に向き合ったのは初めて
こう書くと まるで私一人が プロデューサーになって 仕切ったみたいだけど
実際には サノに「こんな風に歌って」とか 他のメンバーに「こう弾いて」と
指示したわけではない(そんな力量もないしね)
エッセのせつないピアノ、オロの「泣き」のギターソロ、ヨシのドラマチックなベースライン
そしてサノのストレートな歌
何も言わなくても リハを重ねるたびに 私のアタマの中のEternity と一緒になって行った
静寂に包まれた 世間から聖別されたような 不思議なあの4日間
神様に導かれてできた曲なんだと思う